造り手の探究心が高まる繊細な産地
澄んだ空気と緑の山々、清流が育む大地に恵まれた三次ワイナリーのブドウ畑。標高350メートルの山間部を切り開いた地にあり、日の入りから日の出までしっかりと太陽の日差しを浴びられる環境です。
広島県内最大級の盆地という地形から、昼夜の寒暖差が激しく、日中は光合成により栄養をたっぷり生産し、涼しい夜は蓄えた栄養をそのままに樹々が眠りにつくため、ゆっくりと熟され糖度の高いブドウに仕上がります。
TOMOÉの専用圃場では、シリーズの中でも人気のメルローのほか、シラー、ピノ・ノワールなどの品種を中心に栽培しています。より健全で果実味が凝縮したブドウを育成するため、土壌環境のメンテナンスに力を注ぎます。もともと、ブドウは乾燥地で育つ植物。多すぎる水分は病気の原因につながるため、畑の地下にパイプを通し排水環境を整え、樹に雨が掛からないようにレインカットを施すなど、年々改良を進めています。また、収穫を終えた冬場には、次のシーズンに向けて、畑の中でブドウを元気良く育てるため、地表近くに伸びた根を切り、固くなった土中に空気を入れてバクテリアなどの微生物を活性化させていきます。このように、徹底した管理を行い、品質の向上を目指しています。
こうした環境だからこそ、造り手たちの畑への探究心と愛情が芽生え、唯一無二のブドウが誕生していく。未知の可能性を秘めた繊細な産地なのです。
農家とともにこの土地の味を生み出す
ワインはブドウの果汁を原料とするシンプルなお酒です。果実の良し悪しがその年のワインの品質や特徴となって表れます。樹にもそれぞれ個性があるため、その日その日で状態を見極めることが大切。「必要なものを必要な量だけ、必要なときに与える」というスタイルのもと、過剰な肥料や農薬散布を避け、自然に調和した栽培方法を協力農家とともに取り組んでいます。収穫時は、ワイナリースタッフ及び農家の全員が畑に繰り出し、全て手摘みで行います。一つひとつを選別しながら丁寧に。造り手一人ひとりのたゆまない努力が、この土地ならではの味わいにつながっています。